
「スカパーに加入しようと思っているけど、録画して残しておけるのか?」
スカパーなどの有料放送に加入して、スポーツ中継やアニメ、音楽ライブ、映画などを楽しみたい人の中には、このような疑問を持つ人も多いだろう。
結論から言うと、スカパーは録画に対応しており、ブルーレイディスクなどに保存して長期間保管することも可能である。
ただし、地上波放送とは異なり「ダビング10」ではなく「コピーワンス」というコピー制限が設定されている場合がある。
本記事では、スカパーの録画・保存の仕組みやダビング回数についてわかりやすく解説する。
結論:スカパーは録画して保存できる
スカパーは対応するテレビやレコーダーを利用することで録画可能だ。
録画した番組はレコーダーのHDDに保存できるだけでなく、ブルーレイディスクへ移して保管することもできる。
そのため、以下のような人に向いている。
- 好きなアニメをコレクションしたい
- 激レア映画を保存したい
- スポーツの名試合を残したい
- 音楽ライブを何度も見返したい
NetflixやU-NEXTなどの動画配信サービスでは、作品の配信が終了すると視聴できなくなる場合がある。一方で、スカパーで録画した番組は自分で保存しておけるため、後から何度でも視聴できる。
スカパーの録画は何回ダビングできる?
ただし通常の地上波放送などと違う点がある。スカパーの録画番組には著作権保護のためのコピー制限が設定されているのだ。そのため、録画した番組を何度でも自由にコピーできるわけではない。
地上波やBSなど、無料で見れるテレビ局及びNHKなどの番組は「ダビング10」だが、スカパーやWOWOWなどといった有料放送の場合は、「コピーワンス」が採用されている。
ダビング10
ダビング10は、録画番組を最大10回まで複製できる仕組みである。
一般的には、
- 9回までコピー可能
- 最後の1回はムーブ
という形になる。
コピーワンス
対して、コピーワンスとは録画した番組を一度だけ別のメディアへ移動できる仕組みである。
例えば、
- HDDに録画する
- ブルーレイディスクへダビングする
ということは可能である。
ただし、この場合は「コピー」ではなく「ムーブ(移動)」となるため、ダビング後はHDD側のデータが削除される。
つまりどういうこと?
つまりこんな感じだ。
瞬間移動装置を想像してほしい。
コピーワンスは地点Aから地点Bへと瞬間移動するようにレコーダーとダビング予定のブルーレイに移動できるような感じだ。
瞬間移動装置を使えば、自分は別のところへと移動することができる。コピーワンスはオーソドックスな瞬間移動装置である。瞬間移動装置であるため、地点Bで死んでしまったら消える。
対してダビング10は、瞬間移動装置とは少し違う。
地点Aから地点Bへと瞬間移動したいと思い使った場合、瞬間移動するように移動できるのだが、使った人自体はまだ地点Aにい続ける。
地点Bには自分と全く同じ存在が複製されている。いわばクローンである。そして地点Aに残っているもとの自分は、地点Cや地点Dにこのクローンを繁殖させることができる。
そして8回使うまで自分のコピーを指定の場所に放つことができるのだが、9回目になるとコピーワンスのときと同じく、地点Bへと瞬間移動するかのように移動し地点Aからは消える。そんな感じである。
ダビング10とコピーワンス(ムーブ)の歴史
もともと地上波デジタル放送も「コピーワンス」だった。デジタル方式は何度コピーしても画質がほとんど劣化しないため、番組の違法コピーが流通することを放送局側が警戒し、この自主ルールが作られたのだという。
しかしこのルールには弱点があった。マシンの不具合や停電などが起こった場合、データが消滅してしまう可能性がある。
このため、情報通信審議会(総務相の諮問機関)は昨夏、コピー回数を10回へ増やすべきだと答申した。これを受け、関係業界は「ダビング10」を開始することで合意した。
ダビングの真っ最中に停電が起きて、録画していた番組が跡形もなく消える。こうした不満の高まりを受けて緩和されたのが、今のダビング10というわけだ。
よくある誤解:解約したら録画も消える?
さて、本題に戻ろう。スカパーはダビング10ではなくムーブを採用している。だが、ダビング10に慣れている人にはムーブのことを全く知らない人も多いだろう。そして、漠然とこう思っている人が結構いる。
「スカパーって解約したら、録画してた番組も全部見れなくなっちゃうんじゃないの?」
スカパーは、契約が切れた瞬間にデータもろとも消滅する。そんなイメージを持っている人もいるだろう。実際私も入るまで、本当に大丈夫なんだよな?と思いながら入った記憶がある。
結論から言うと、そんなことはない。解約しても、録画した番組はそのまま残り、いつでも視聴できる。地上波の録画と同じ感覚で考えてもらって大丈夫だ。せっかく保存した番組が、契約を切った瞬間に人質に取られる、なんてことはないので安心してほしい。
ただし、例外が2つだけある。
- ペイパービュー(番組単位で購入するタイプの視聴、格闘技の生中継など)で見た番組の中には、「コピーネバー」というそもそも録画自体ができない制御がかけられている。
- プレミアムサービス(124/128度CS)をレンタルチューナーで利用している場合、解約後は録画した番組を再生・ダビングできなくなる。
普通にスカパーへ加入してチャンネルを契約して楽しんでいる、もしくは入会を検討しているだけなら、この2つはあまり気にしなくていい。ペイパービューは簡単に言えば配信の購入なので、録画できない。プレミアムサービスの録画はチューナー経由のネットワーク配信という形で保存されているため、レンタルチューナーを返却すると、データを開くための鍵ごと失われてしまうような感じになる、らしい。筆者も今回の記事執筆のリサーチで初めて知ったことだ。だが別にこの2つは普通にスカパーに契約する場合は関係ない。なのでよくわからなかったら理解しなくてもいい。特に2つ目に関しては。
コピーワンスの使い勝手を解説
制度の話はここまでにして、実際に何百枚もダビングしてきたヘビーユーザーとして、コピーワンスを使ってきた実感を書いていこうと思う。
※ダビングにはCPRM対応ディスクが必要
ほとんどの人は気にしなくていいのだが一応触れておこう。
コピーワンスの番組をDVDにダビングする場合、CPRM対応のディスクが必要になるという点だ。
CPRMとは、コピーワンス(1世代だけコピー可能)の番組を録画する時に使われるコピー制御方式のことだ。DVDはもともと「コピー制御」という概念がない時代に規格ができたため、この仕組みは後から追加で乗せられた。そのため「CPRM対応」と「非対応」のディスクが混在することになり、家電量販店でも「録画用DVD」「データ用DVD」と表記が分かれていた。
何も知らずにデータ用のディスクを買ってしまい、いざダビングしようとしたら弾かれる、というのは初心者がよくハマるポイントだった。
しかしブルーレイの時代になってからはこの心配がいらなくなった。BDは規格自体に著作権保護の仕組みが最初から組み込まれているため、市販されているBD-Rは基本的にすべて対応済みだ。DVD時代のように「対応品を選んで買う」という手間そのものがなくなった。なので今の時代だとほとんどの人は気にしなくていい。私も今回この記事を書くにあたって久々に思い出した概念だ。
本当に怖いのは「ダビング失敗」ではなく「ディスク不良」
コピーワンス=ムーブと聞くと、「ダビング中に失敗したら番組が消えてしまうのでは」と身構える人もいるかもしれない。実際、地上波がダビング10を採用しているのはそういう理由でデータが消える可能性がある故だった。
だが、正直なところ、ダビング自体はほとんど失敗しない。私は別に高価なレコーダーを使っているわけではないが、仮に途中で失敗したとしても、レコーダーのHDD側にデータはそのまま残り続ける。失敗したらデータが消滅するということは私の経験上ほとんどない。なので実はそこまで神経質になる必要はない。スカパーに何度も入ってはダビングをしまくっていて、地上波やNHKBSなどで放送された作品なども含めブルーレイにやきつけていて、ダビングしているディスクが明らかに数千枚ある私の実体験でも、データがレコーダーからも消えたというケースは全くない。
だが、ダビング自体は無事成功したのに、ディスク自体の不具合で、後から再生できなくなるというケースがある。これが結構おそろしい。ダビングしたディスクがエラーを起こし、何度セットしても再生不可と表示される。こうなったらもうそのデータは二度と見れない。実際に筆者も、これで貴重な作品が入ったディスクを何枚も失った経験がある。
これは前半で書いた「瞬間移動装置」の例えがそのまま当てはまる。地点Aから地点Bへ、無事に瞬間移動できたはずだった。ところが移動した先の地点B自体が、実は欠陥のある不安定な場所だった——気づいたときには、地点Aのクローンはとうに消えていて、戻る場所はどこにもない。ダビングという行為そのものより、移動先の器(ディスク)を信頼できるかどうかの方が、よほど重要な問題なのだ。
コピーワンスの最大のデメリット
コピーワンスは案外、不便ではない。「1枚しかディスクを作れないから不便」とよく言われるが、正直なところ、これ自体はそこまで気にしたことがない。私の場合、1枚のディスクに保存できればそれで十分で、同じ番組を何枚も複製したいと思ったことがないからだ。
コピーワンス故の最大のデメリットは、レコーダーのHDDを普段づかいしている人が、故障したときのバックアップが取りづらいことである。
地上波のダビング10番組であれば、「とりあえず1枚ディスクに焼いておくか」という気軽さがある。ダビング後もHDD側に番組がそのまま残るので、万が一のバックアップ用として、深く考えずにコピーを1枚作っておける。
ところがコピーワンス番組は、ダビング=ムーブなので、ディスクに焼いた瞬間にHDD側の番組は消えてしまう。つまり「バックアップを取る」という行為が、そのまま「HDDから追い出す」という行為とイコールになってしまう。
まだ見返したい番組をバックアップのつもりで軽い気持ちでダビングすると、HDD側からは消えてしまう。なのでディスクを入れてから見る必要が出てくる。普段レコーダーのHDDで昔録画した番組を何度も見返すという習慣が私にはなくすぐダビングするのであまり私には馴染みがないのだが、そういう人はかなり多いと思われる。そういう人にとってバックアップが取れないというのは結構痛手なような気がする。
実はムーブがありがたいときもある
一方で、ムーブという仕組みが逆にありがたい場面もある。
筆者はディスクにダビングしたら、HDD側の番組は削除する派だ。HDDがすぐにパンパンになるので、データはだいたい削除する。ダビングした番組がHDDに残り続けていると、ダビングしたということを忘れてまたダビングしてしまうことがある。そんなバカなと思った方もいるかもしれないが、気になる映画やドラマ、ドキュメンタリーや教育番組など気になったものは片っ端からダビングをしていて、1000枚以上のディスクを管理している私にとってはあるあるなのだ。
このとき、言わずもがななことではあるが地上波(ダビング10)の番組だと、ダビングしてもHDD側には「ダビング9」の状態で番組が残り続ける。ダビングしただけでは自動的に消えてくれないので、見終わったら自分の手でHDDから削除する必要がある。
対してスカパーで放送された映画をダビングすると、ムーブなので勝手にHDDから消えてくれる。手動で削除する必要がない。「ディスクに移したらHDD側はすぐ消す」筆者のような人間にとっては、実はこの仕組みの方が都合がいい、番組を選択して消す必要がない。
制度としては不便に見えるコピーワンスだが、私のような人間にとってはありがたい。
まとめ
ここまで、スカパーの録画・ダビング事情について、制度の仕組みから実際に使ってみた感覚まで、ヘビーユーザーの視点で解説してきた。最後に要点を振り返っておこう。
ダビング回数について
スカパーの番組は、そのほとんどが「コピーワンス」で運用されている。HDDに録画した番組は、ディスクへ1回だけ移動(ムーブ)でき、移動が完了するとHDD側のデータは消える。地上波のように9回コピー+1回ムーブができる「ダビング10」にはならない、というのが実態だ。
例外として、ペイパービューで購入した番組は「コピーネバー」(録画自体が不可)の場合があるので、単発の生中継などを購入する際は注意しておきたい。
永久保存できるかどうかについて
結論としては、録画・保存自体は問題なくできる。解約しても録画した番組はそのまま残り、いつでも視聴可能だ(プレミアムサービスをレンタルチューナーで利用している場合を除く)。
ただし「永久」に安心しきっていいわけではない。千枚以上ダビングしてきた身として断言できるのは、本当に怖いのはダビングそのものの失敗ではなく、ダビング後のディスク不良だということだ。せっかく無事にムーブできても、記録メディア自体が劣化・故障してしまえば、二度と取り戻せない。ディスクの品質選びと保管環境には、思っている以上に気を配ったほうがいい。
コピーワンスとの付き合い方
「1回しかコピーできない」と聞くと不便に思えるが、実際に使い込んでみると、地上波との違いで本当に困るのは複製枚数ではなく「バックアップの取りづらさ」だと思われる。一方で、ダビング後にHDD側を自分で消す派の人間にとっては、勝手に消えてくれるムーブの仕組みが逆に都合よく感じられる場面もある。ここれからスカパーへの加入を検討している人は、「録画・保存はできるが、コピーワンスは一発勝負。だがそんなにミスは起こらない、ディスクが安物出ない限り。」ということだけ頭に入れればいい。

